400【太液の芙蓉】 出典・白居易・長恨歌
《 意味 》

 唐の玄宗皇帝の妃、楊貴妃の容貌の美しさをたとえて言った言葉。唐の都、長安の大明宮の後方にあった太液という池に咲く蓮の花の意

 
《 訳文 》

 (楊貴妃が亡くなって後、亡命の地蜀より)帰還すれば宮殿の池や庭園は昔のまま。大明宮の太液の池に咲く蓮の花も、未央宮の柳も何もなかったかのよう。蓮の花は貴妃の顔のよう、柳はその美しい眉のようである。これらを目のあたりにしてどうして涙せずにいられようか

《 原文 》

 帰来池苑皆依旧、太液芙蓉未央柳。芙蓉如面柳如眉、対比如何不涙垂

 帰り来れば池苑皆旧に依る、太液の芙蓉未央の柳。芙蓉は面の如く柳は眉の如し、これに対して如何ぞ涙垂れざらん

《一言多い解説》

 一緒に悲しみましょう