398【巽余そんよ)の言】 出典・論語・子罕しかん)
《 意味 》

 相手に逆らわないで、へりくだり、慎み深く、婉曲に言う言葉。「巽」は、へりくだる。「与」は、くみ従う

 
《 訳文 》

 孔子が言われた。「道理にかなった正しい言葉には、だれもが従う気持ちになる。(しかし、従うだけでなく、その言葉によって)自分のあやまりを改めることこそたいせつだ。相手の気持ちに逆らわない、婉曲で柔らかい言葉は、だれもが喜ぶものだ。(が、喜ぶだけでなく)その言葉の背景になるほんとうの意味を探る事がたいせつなのだ(世の多くの者は、喜び従うだけで、探り改めようとしない。それではわたしには手の施しようがない)

《 原文 》

 子曰、法語之言、能無従乎。改之為貴。巽与之言、能無説乎。繹之為貴

 子曰く、法語の言は、)く従うこと無からんや。これを改むるを貴しと為す。巽与の言は、能くよろこ)ぶこと無らんや。これをたず)ぬるを貴しと為す


《一言多い解説》

 身につく言葉は、素直になって聞き自分の過ちを見つけていくことで正すことで得られる