97:【街談巷語がいだんこうご)】 出典:漢書・芸文志げいもんし)
《 意味 》

 世間のうわさ。町角や路地で交わされ語られるつまらないうわさ話。原典には「「街談巷語」の上文に「小説家者流」が記されているが、「小説」という語は現在の小説の意とは違い、元来「小さな話」「うわさ話」程度の意味しかもっておらず、官吏が民間から採取して書きとめたものをいう。
 
《 訳文 》

 小説家(=とるに足らぬ話をする者)は、稗官(=民間の説話・物語などを集める役人)から生じたものであり、世間のうわさ話は、町角で耳にしたことをすぐに他人に吹聴することから生じたものである。


《 原文 》

 小説家者流、蓋出於稗官。街談巷語、道聴塗説者之所造也

 小説家者流は、けだ)蓋し稗官より出ず。街談巷語は、道聴塗説者どうちょうとせつしゃ)の造りし所なり。

《 一言多い解説 》

 インターネットもSNSも無い時代でも、うわさ話はあっという間に広がった。