68:【鴛鴦の契り】 出典:盧照隣詩・長安古意 |
《 意味 》
夫婦愛のむつまじいことのたとえ。「鴛鴦」は、おしどりの雄(=鴛)と雌(=鴦)。常に一緒にいる習性をもつので仲の良い夫婦にたとえる。「契り」は、約束・交わり・間柄。
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《 訳文 》
紫煙たなびく楼閣の中にあって簫吹く人にちょっとおたずねしよう。その女は、(答えて言うだろう。自分は、)舞を習って若い青春の時代を過ごした。もし、比目(雌雄が片目ずつもっており、泳ぐときは双方寄り添い、両目になって進む魚)のようにあの人といつも寄り添い、仲むつまじい夫婦になれるなら死んでも構わない。また、おしどりのつがいのように固く結ばれ睦まじい夫婦になれるなら不老不死の仙人(独りで長生きする)なぞうらやましいとは思わない。
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《 原文 》
借問吹簫向紫煙、曾経学舞度芳年。得成比目何辞死、願作鴛鴦不羨仙
借問す、簫を吹いて紫煙に向かうを、曾経て舞を学んで芳年を度る。比目と成るを得ば何ぞ死を辞せん、願わくは鴛鴦と作作りて仙を羨まず。
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◎ 解説
比目とは、目を並べることとあり、カレイやヒラメの様に、右目と左目の間に唯間隔があいているだけで他に何もない状態から起きた言葉の様に思う。「比目魚」と書いて「ひらめ」と読む。
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