52:【牛に対して琴を弾す】 出典:祖庭事苑 |
《 意味 》
牛に琴の音を聞かせてもわからないことから、愚人に道理を説いてもむだだというたとえ。古くは「荘子」斉物論の郭象注に「牛に対して簧を鼓す」の語がみえる。
|
《 訳文 》
魯の賢士の公明儀は、牛に向かって琴を引き、「清角」という清らかで優雅な曲を奏でてみたが、牛は相変わらず草を食べていた。牛は聞いていなかったわけではなく、曲の清らかさが理解できなかっただけのことだ。
|
《 原文 》
魯賢士公明儀、牛弾琴、弄清角れ之操、牛食如故。非牛不聞、不合耳也
魯の賢士公明儀、牛に対し琴を弾じ、清角の操を弄す。牛食らうこと故の如し。牛聞かざるに非ず、耳に合わざるなり
|
◎ 一言多い解説
奏者の演奏が下手だったかもしれない。或いは、腹が減っていて、音楽を聴いている余裕がなかったかもしれない。勝手な解釈を人間がしていただけかもしれない
|
|