45:【))る】 出典:詩経・大雅・ 烝民
《 意味 》

 人として守るべき法をしっかり守ること。「」は、正しい常に変わらぬ道を言う。「へい)」は、手に取って持っていること。」はまた、宗廟に供える酒を入れる器で、「鐘」や「てい)」などと同じ祭祀のための器具。
 
《 訳文 》

 天は多くの民を世に生み出した。物があれば必ず人の行うべき正しい道がある。人間には、人として守るべき道をしっかり守る天性が与えられている。だから人間はこの本来の性質によって美徳を好むのである。
 
《 原文 》

 天生烝民、有物有則、民之秉彜、好是懿徳
 天 烝民を生ず、物有ればのり)有り、民の彜を秉る、この懿徳いとく)を好む

◎ 一言多い解説

 「」という字に二つの意味を持たせて、天の定理こそが、祭祀のときに扱う器と同じように人間には大切なのだという意味を持たせている。中国版掛詞。