404【大巧は拙なるがごと)し】 出典・老子・四十五番
《 意味 》

 自然の道理にかなった真の巧みさは小細工を弄さないので、俗人には稚拙に見えるものだ。そこから、真に賢い人は、自分の才知をひけらかさないので、表面上は愚かに見えることにたとえる。この語は人為による巧妙さは、いかに窮めても結局は真理でないという老子の逆説的な論理を表す。

 
《 訳文 》

 真にまっすぐなものは、融通無碍ゆうずうむげ)であるので一見曲がっているように見え、真に巧みなものは、小細工を弄さないので、一見稚拙に見え、真に雄弁なものは、口達者ではないので一見訥弁のように見える

《 原文 》

 大直若屈、大巧若拙、大弁若納

 大直は屈するが若し、大巧は拙なるが若し、大弁はとつ)なるが若し

《一言多い解説》

 真の賢人を、真の愚者の中から捜せ