390【即時一杯の酒】 出典・晋書・張翰伝
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《 意味 》
後世に名を残すことを考えるよりは、目の前にある一杯の酒を楽しんだほうがよいということ。あとに控える大事より、目の前の小事を選ぶことの例え。刹那の快楽を求めること
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《 訳文 》
(呉の人)張翰は、心のおもむくまま自由に生活し、名声を世俗に求めたりはしなかった。そこで、ある人が張翰に言った。「君が気ままに楽しむのも結構だが、死後の名声は考えないのか」。答えて言った。「死後の名声を求めるより目の前の酒を楽しむほうがずっといい」。(世の人々は張翰の闊達さを貴びたたえた)
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《 原文 》
翰任心自適、不求当世。或謂之曰、卿乃可縦適一時、独不為身後名邪。答曰、使我有身後名、不如即時一杯酒
翰、心に任せて自適し、当世に求めず。或るひとこれに謂いて曰く、卿乃ち一時に縦適すべきも、独り身後の名を為さざらんや、と。応えて曰く、我をして身後の名を有らしめんは、即時一杯の酒に如かず
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《一言多い解説》
死んで花実が咲くものか
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