382【善を責むるは朋友の道なり】 出典・孟子・離婁りろう)
《 意味 》

 善行を勧め求めるのは友人としての務めである。「責」は、責め求める、勧める
 
《 訳文 》

 (孟子が言った。「匡章きょうしょう)は父と互いに善行を勧め合ったが、合意せず、家を出ることになった)。本来、善をなせと勧めるのは、友人同士ですべきであり、父と子が勧めあうのは、親子間の恩情をひどくそこなうものである」
《 原文 》

 責善朋友之道也。父子責善、賊恩之大者

 善を責むるは朋友の道なり。父子善を責むるは、恩をそこな)うの大なる者なり
 
《解説》

 「恩」は、本来、むしろ「情愛」という意味。善という道徳上の問題を、親子という情愛の関係にもちこむことを避けようとしたのである