38:【 いつ)美溢悪の言】 出典:荘子・人間世 じんかんせい)
《 意味 》

 誇張したほめ言葉と悪口。度の過ぎた言葉は客観性を欠き、偽りになるので注意せよという意。「溢」は度を越す。

 
《 訳文 》

 (孔子が言った。「国と国の間の交渉に当たる使者は、両国が共に喜んでいるときの言葉や、両国が共に怒っている時の言葉を伝えるのが最も難しい。そもそも、両国が共に喜んでいるときは、どうしても誇張したほめ言葉が多くなるし、両国が共に怒っているときは悪口が多くなる。つまり実体を超えて行き過ぎれば偽りになるので、使者はほどほどを心得て伝えねばならない。)

 
《 原文 》

 夫両喜必多溢美之言、両怒必多溢悪之言
  れ両喜は必ず溢美の言多く、両怒は必ず溢悪の言多し

◎ 一言多い解説

 褒め殺しに似て非なり、又、売り言葉に買い言葉でチャンチャンバラバラ