372【千鈞せんきん)も船を得れば則ち浮かぶ】 出典・韓非子・功名こうめい)
《 意味 》

 何事も勢いに乗らなければ成功しないことのたとえ。また、賢人も一定の地位がなければ能力を発揮することができないことのたとえ。ここでは、「船」は「勢い」にたとえられている。「千鈞」は、非情に重いものを指す

《 訳文 》

 非常に重いものでもそれを載せる船がなければ沈んでしまう。これは、前者が軽く、後者が重いからというのでなく、それを載せる船という条件を備えているか否かによるのである

 
《 原文 》

 千鈞得船則浮、鍿銖失船則沈。非千鈞軽鍿銖重也。有勢之与無勢也

 千鈞船を得れば則ち浮かぶも、鍿銖ししゅ)船を失えば則ち沈む。千鈞軽く鍿銖重きに非ざるなり。勢有ると勢無きとなればなり

《一言多い解説》

 無冠の英雄は有りえない