341【炊臼すいきゅう)の夢】 出典・酉陽雑爼ゆうようざっそ)・夢
《 意味 》

 妻に先立たれることのたとえ。また、妻の死を知らせる夢のこと。「)」は「婦」に通じ。釜がなくなりうす)で飯を炊いたという夢であることから

 
《 訳文 》

 商人の張瞻ちょうせん)が旅先からいよいよ家に帰ろうとしたところ、臼で飯を炊く夢を見た。そこで夢解きで評判の王生に尋ねた。王生は「あなたが家に帰ったら、あなたの細君は亡くなっており、会うことができないだろう。臼で飯を炊くというのは、釜(婦)が亡くなったことを意味する」と答えた。商人が家にたどりついてみると、妻は果たして数か月前に死んでおり、王生の言葉にまちがいがなかったことがわかった

 
《 原文 》

 賈客張瞻将帰、夢炊於臼中、問王生。生言、君帰不見妻矣。臼中炊、固無釜也。賈客至家、妻果卒已数月。方知王生之言不誣矣

 賈客張瞻将に帰らんとし、臼中きゅうちゅう)かし)ぐを夢み、王生に問う。生言う、君帰らば妻を見ざらん。臼中に炊ぐとは、もと)より釜無ければなり、と。賈客家に至るに、妻果たしてしゅつ)すること已に数月なり。まさ)に王生の言の)ならざるを知れり

《一言多い解説》

 正夢

 

   

   
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