334【神出鬼没】 出典・淮南子えなんじ)兵略訓へいりゃくくん)
《 意味 》

 行動が迅速で、臨機応変に対応することのたとえ。どこにでも好きなところに現れ、目的を達するとすぐに消えてしまうこと。「神」、「鬼」は、「鬼神」として用いられることが多く、神秘的な霊的存在をいう。また、死んだ人の霊魂のこと。霊魂のように不思議な能力で、現れたり消えたりするという意味。本来は、原点の『淮南子』のように「神出鬼行」という形で行われ、おもに兵法に長じていることにたとえる。「神出鬼没」という語は『水滸伝』第四十七回に見えるが、やはり兵法に優れていることのたとえである
 
《 訳文 》

 (用兵に)長けている者の行動は、迅速で臨機応変に動き、星の輝くがごとく、天のめぐるがことく、一挙一動は、前ぶれもなく、また痕跡も残さない

 
《 原文 》

 善者之動也、神出而鬼行、星燿而玄運、進退誳伸、不見朕憖

 善くする者の動くや、神出にして鬼行、星のかがや)きてそら)めぐ)るがごとく、進退誳伸くっしん)には、朕憖ちんぎん)には見えず
《一言多い解説》

 古代中国に軍歌はなかったと思われるが、兵法の書によって、司令官や兵士を鼓舞したのではないだろうか。
 

   

   
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