331【心肝をひら)く】 出典・漢書・蒯通かいとう)
《 意味 》

 心の中に何一つ隠し事をしないこと。「心肝」は、心臓と肝臓の意で、心の中にたとえる。一般に、この句は、「心を披く」として知られているが、『漢書』の原文は「心腹を披き肝胆をこぼ)つ」となっている。意はいずれも同じ
 
《 訳文 》

 (蒯通は、漢の開国の功臣で斎王に封ぜられた韓信を漢に背かせようとして言った)。「あなたが漢にいれば漢が勝ち、楚にくみ)すれば楚が勝つ。わたしは心を開き真心をお見せし、誠意を尽くしたいと願っていますが、あなたがそれを信用してくださらないことだけが心配です

 
《 原文 》

 足下為漢則漢勝、与楚則楚勝。臣願披心腹、堕肝胆、効愚忠、恐足下不能用也

 足下漢と為れば則ち漢勝ち、楚と与すれば則ち楚勝たん。臣心腹を披き、肝胆を堕ち、愚忠をいた)さんことを願うも、足下の用うる能わざるを恐るなり

《一言多い解説》

 韓信に入れ知恵をしている蒯通こそ、心肝を披いているという文脈となるのだか、いいんですか?
 

   

   
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