31:【一挙両得】 出典:晋書・束皙 そくせき)
《 意味 》

 一つの事をすることで、二つの利益を得ること。「一挙」は、一度事を行うこと

 
《 訳文 》

 (束皙が皇帝に意見を申し上げた。「今、天下は人口に比べて耕地が狭く、人々には仕事がありません。その昔、魏氏は、こういった人々を西のほうに移住させ)、辺地を満たし、十年間の労役を免除してやりました。これこそ)一度に二つの利益を得る方法です。今この方法を用いて、辺境の地を充実させ、国庫にゆとりを持たせれば、貧しい人々に仕事を増やしてやることができます。そうして辺地を開拓することができるのです。(これも農事の大益と申せましょう)

 
《 原文 》

 一挙両得、外実内寛、増広窮人之業、以闢西郊之田

 一挙両得にして、外実内寛成なれば、窮人の業を増広し、以って西郊の田を闢かん 
◎ 一言多い解説

 中国故事によく出てくるものに、時の権力者や王のそばに侍って、祭りごとに具申する食客の存在がある。現代の日本の政権でもよく見られる存在である。彼らの意見は侮れないが、果たしてどれほどの見識と効果をもたらしたかは定かではない