301【)も舌に及ばず】 出典・論語・顔淵
《 意味 》

 失言は取り返しがつかないので、慎重に話せというたとえ。いったん口から出た言葉は、四頭だての早馬で追いかけても、追いつくことはできない。「駟」は四頭だての馬車、早馬
 
《 訳文 》

 (衛国の官吏の)棘子成きょくしせい)が言った。「君子は素朴さ(実質)だけが必要で身を修める装飾などいらない」。子貢しこう)が言った。「残念ですなあ。あなたの君子についての考えは。四頭だての早馬でさえ一度言った言葉に追いつくことができないように、そのような軽率なことを言うと取り返しがつきませんぞ。外見の装飾が無ければ、素朴さを表現できないし、素朴さが無ければ装飾のしようがない。(君子の真価を表すには実質の伴なった装飾が必要なのです)

 
《 原文 》

 棘子成曰、君子質而已矣。何以文為矣。子貢曰、惜乎、夫子之説君子也。駟不及舌。文猶質也、質猶文也

 棘子成曰く、君子は質のみ。何ぞ文を以て為さん、と。子貢曰く、惜しいかな、夫子の君子を説くや。駟も舌に及ばず。文は)お質のごときなり、質は猶お文のごときなり、と

《一言多い解説》

 傍で聞く人にはそんなことどうでもいいこと。ケチの着けっこになってるだけ