297【雌伏】 出典・後漢書・趙典ちょうてん)
《 意味 》

 辛抱して人につき従うこと。人につき従いながら力を養い、将来に活躍する日を期して待つこと。また、世間から退き隠れる意にも用いる。「雌」は鳥のめす。雌鳥が雄鳥につき従うように服従すること。雄鳥が自在に飛びまわるという意の「雄飛」の反対語
 
《 訳文 》

 (趙典の甥の趙温が京兆群の補佐官になったとき)、「一人前の男子は自在に飛びまわる雄鳥のように活躍すべきである。どうして雌鳥のように人に服従しておられよう」と言って嘆き、ついに辞職してしまった。(その後、大飢饉の年に多くの人々を救済し、出世して取調官としての最高位である司空しくう)となった)

 
《 原文 》

 歎曰、大丈夫当雄飛、安能雌伏。遂棄官去

 歎じて曰く、大丈夫当に雄飛すべし、いぐく)んぞ)く雌伏せんや、と。遂に官を棄て去る

《一言多い解説》

 趙温はもともと人に使われることが性に合わない器だったかも