291【日月じつげつ)私照無し】 出典・礼記らいき)・孔子間居
《 意味 》

 太陽や月は万物を公平に照らす。恩恵を施すに私心・私情によらず公平であることのたとえ。「日月」は、太陽や月。公平無私なもののたとえ。「私照」は、私情によって偏り照らす。不公平に恵みを与える。この日月の様に、古代の聖人、禹王・湯王・文王は人民に対して決して偏った恩恵を施すことはなく、この三王の徳を「三無私」という。
 
《 訳文 》

 (弟子の子夏が、なぜ禹王や湯王や文王のことを三無私というのでしょうか、と孔子に尋ねた。孔子が答えて言った)。「天はこの世のあらゆるものを覆って偏った恩恵を施さず、地はあらゆる物を載せて公平に恵みを与え、太陽と月はあらゆる物を公平に照らす。(この私情のない恵みを与える三者を三無私といい、禹王・湯王・文王の徳がそれに匹敵するからである。)

 
《 原文 》

 天無私覆、地無私載、日月無私照

 天私覆しふう)無く、地私載無く、日月私照無し

《一言多い解説》

 星の明かりは、暗すぎるし多すぎるので、加えられない