290【七歩の才】 出典・世説新語・文学 |
《 意味 》
詩や文章に優れた才能のたとえ。七歩進む間に優れた詩を作る早業。三国時代の魏の文帝が弟の曹植(東阿王)に七歩歩む間に詩を作らぬと処刑すると命じたところ、弟は即座に兄の冷酷さと兄弟の不仲を嘆いた詩を作って答えたという故事に基づく。(《 参考 》を参照)
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《 原文 》
文帝嘗令東阿王七歩中作詞、不成者行大法。応声便為詩
文帝嘗て東阿王をして七歩の中に詞を作らしめ、成らざれば大法を行わんとす。声に応じて便ち詩を為す
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《 該当する詩 》
七歩詩 曹植
煮豆燃豆萁 豆を煮るに豆の萁を焚く
豆在釜中泣 豆は釜中にあって泣く
本是同根生 是本同根より生ずるを
相煎何太急 相煎るなんぞはなはだ急なる
豆を煮るために豆がらを燃やす
豆は釜の中で泣いているような音を立てる
もともと一つの根から生じたものなのに
どうしてこんなに酷くいたぶるのですか
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《一言多い解説》
愚兄賢弟
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