280【自家薬籠中の物】 出典・史記・旧唐書くとうしょ)・元行沖伝
《 意味 》

 薬入れの中の薬の意から、身近に置いてあって、いつでも役立てることができる様な物や人のたとえ
 
《 訳文 》

 (元行沖が荻仁傑てきじんけつ)に言った。「下の者が上のものに仕えるには、たとえば、金持ちの蓄えが自分の身を立てる元手となり、干し肉が滋養の食物となり、薬用植物が疫病の防止となるように、役立つ人間でなくてはなりません。あなたの家には美味な食物がたくさんあります。どうか私をあなたの家の薬石として備えてくださいませんか」)。仁傑は笑いながら言った。「君は、我が家の薬箱の薬です。一日としてなくてはならぬ存在です」

《 原文 》

 仁傑笑曰、君正吾薬籠中物。不可一日無也

 仁傑笑いて曰く、君正に吾が薬籠中の物なり。一日として)かざるなり

 
《一言多い解説》

 兵法の奥義とか、無敵の太刀捌きも有ればもっと良い。口車はダメ