278【三楽】 出典・孟子・尽心・上
《 意味 》

 君子の三つの楽しみ。内容については儒家と道家との間で異なっており、それぞれに用いられるが、ここでは、一般的である儒家の考え方を示した。すなわち、父母がともに存命で兄弟に何もないこと。天に対しても人に対しても、恥ずることも後ろめたいこともないこと。そして、世の中の優れた人を門人として教育することの三つ。道家では『列子』に、男であること、長寿であること、人に生まれたこと、とある。
 
《 訳文 》

 孟子曰く、君子に三楽有り。・・・父母倶に存し、兄弟に故なきは、一の楽しみなり。仰いで天に)じず)して人に)じざるは、二の楽しみなり。天下の英才を得てこれを教育するは、三の楽しみなり

《 原文 》

 孟子曰、君子有三楽。・・・父母倶存、兄弟無故、一楽也。仰不愧於天、俯不怍於人、二楽也。得天下英才而教育也、三楽也

 孟子曰く、君子に三楽有り。・・・父母とも)に存し、兄弟に故無きは、一の楽しみなり。仰いで天に愧じず、俯して人に怍じざるは、二の楽しみなり。天下の英才を得てこれを教育するは、三の楽しみなり。

 
《一言多い解説》

 資本主義が、この三楽を壊した。