276【三年飛ばず鳴かず】 出典・史記・滑稽列伝(淳于髠)
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《 意味 》
将来活躍する機会をじっと待っているたとえ。三年間、飛びもせず鳴きもしない鳥ということ。「飛ばず」は「蜚ばず」とも書く
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《 訳文 》
(斉の威王が政を顧みず、快楽にふけっていた時に淳于髠がたとえを引き、諫めた)。「国の中に大きな鳥がいて、王の庭にとどまり、三年飛びもせず鳴きもしませんが、なんという鳥かご存じですか」。王は答えて言った。「この鳥は飛ばなければそれまでだが、一度飛べば天高く上がり、鳴かなければそれまでだが、一度鳴けば人を驚かすのである」。
(そこで王はただちに官吏を招集し、賞罰を決定し、出兵したので諸侯は勝手に侵略していた領土を返した)
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《 原文 》
国中有大鳥、止王之庭、三年不蜚、又不鳴、王知此鳥何也。王曰、此鳥不飛則已、一飛沖天、不鳴則已、一鳴驚人
国中に大鳥有りて、王の庭に止まれり。三年蜚ばず、又鳴かず、王、この鳥の何たるかを知るや、と。王曰く、この鳥飛ばざれば則ち已むも、一たび飛べば、天に沖し、鳴かざれば、則ち已むも、一たび鳴けば人を驚かす、と
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《一言多い解説》
君主を諫めるのも命がけ、こういう喩えの巧い人が参謀となる
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