270【三楽】 出典・論語・季氏
《 意味 》

 三つの願い、好み。「楽」を「ごう」と読むときは、好み、願いの意。「らく」と読めば、愉しみの意となる。唐の陸徳明が『経典釈文けいてんしゃくもん)』において、『論語』・季氏に出てくる「三楽」の「楽」を「ごう」と訓じてから、慣習的に「さんごう」と読むようになった。しかし、これに異を唱える者もいて、たとえば江戸時代の著名な儒者である荻生徂徠おぎゅうそらい)は、「さんらく」と訓じ、「三つの楽しみ」と解釈している。現在では定説なしとして、二通りの読み方が認められている。「ごう」が伝統的、「らく」が現代的な読み方と言えようか
 
《 原文・訳文 》

 益者三楽損者三楽えきしゃさんごうそんしゃさんごう)
 
《一言多い解説》

 三楽の中身は唱える人の意中に在り