246【股掌こしょう)の上にもてあそ)ぶ】 出典・国語・呉語
《 意味 》

 手玉にとる。やすやすと操縦する。「股掌」は、もともと手のひらの意
 
《 訳文 》

 「呉王の夫差ふさ)を臣の五子胥ごししょ)はいさめて言った)。「そもそも、越の国は本心から呉の国に好意を抱いているのではありません。また、我が国の兵力を恐れているのでもありません。越の国の大夫のしょう)は勇敢で、なおかつ策略のある者です。我が国を手玉にとって、自分たちの思い通りにしようとしているのです」

《 原文 》

 夫越非実忠心好呉也。又非懾畏吾兵甲之彊也。大夫種勇而善謀。将還玩吾国於股掌之上。以徳其志

 其れ越は実に忠心より呉を好むに非ず。又吾が兵甲のつよ)きを懾畏しょうい)するに非ず。大夫種は勇にしてはかりごと)を善くす。まさ)に吾が国を股掌の上に還玩せんがん)し、以て其の志を得んとす。

 
《一言多い解説》

 この忠告は危うい。仕える王が空っとぼけて暗愚を演じているのも知らず諫めるのは