237【古希】 出典・杜甫詩・ 曲江きょっこう)
《 意味 》

 七十歳のこと

 
《 訳文 》

 朝廷から戻ると、毎日春の着物を質に入れて酒に代え、曲江のほとりですっかり酔っぱらってから家に帰る。酒代の借金はあたりまえ、どこへ行ってもたまっている。昔から七十歳まで生きる人はまれなのだから、気ままに生きて行こう

《 原文 》

  曲江 杜甫

朝回日日典春衣   ちよう)より かえ)りて日日に春衣を典し
毎日江頭尽酔帰  毎日江頭に酔いを )して歸る
酒債尋常行処有  酒債は尋常行く處に有り
人生七十古来稀  人生七十 古来稀なり
穿花蛺蝶深深見  花を穿つ 蛺蝶きょうちょう)深深として見え
点水蜻點款款飛  水に点ずる 蜻點せいてい) 款款かんかん)として飛ぶ
伝語風光共流転  伝語す風光共に流転し
暫時相賞莫相違  暫時相賞して相違う莫かれと

《一言多い解説》

 今時は古希を迎えても、人に頭を下げながら働いているか、金儲けで忙しい人が多い