234【呉越同舟】 出典・孫氏・九地
《 意味 》

 仲の良くない同士が、同じ場所、同じ境遇にいること。「呉越」は、春秋時代の呉の国と越の国で、両国は長く敵対していた

 
《 訳文 》

 そもそも、呉の国の人と越の国の人とは互いに憎み合う仲ではあるが、たまたま同じ舟に乗り合わせて、途中で大風に出合った場合には、右手と左手の関係のように互いに助け合うものである。

《 原文 》

 夫呉人与越人相悪也。当其同舟而済遇風、其相救也、如左右手

 夫れ呉人と越人とは相にく)むなり。その舟を同じくしてわたり)りて風に遇うに当たりては、その相救うは、左右の手の如し

《一言多い解説》

 共通の敵にたまたま苦しめられていた時は、お互いの間には、連帯感が生まれる