205【鷄犬相聞こゆ】 出典・老子・八十章
《 意味 》

 距離が短いこと。鷄や犬の鳴き声が互いに聞こえ合うほどの距離を言う。原典は、「小国寡民(国民が少ない小さな国」を国の在り方の理想とする『老子』の一節である。転じて、理想郷における平和でのどかな情景をいう語となる。

 
《 訳文 》

 (全ての国が小国で国民が少なく、自分の国の生活に満足していれば)隣の国がすぐ見える所にあり、鷄や犬の鳴く声が聞こえるほど接近していても、人民たちは老いて死ぬまで、隣国とお互いに行き来する必要もないだろう。

《 原文 》

 隣国相望、鷄犬之音相聞、民至老死、不相往来

 隣国相望み、、鷄犬の音相聞こゆるも、民老死に至るまで相往来せず

《一言多い解説》

 向こう三国両隣