20:【怒りを蟹に移す】 出典:晋書・解系伝
《 意味 》

 ある人に対する激しい怒りを、その人に関係する他のものにまで向けるたとえ
 
《 訳文 》

 ( ちょう)王の倫は以前の恨みから解系兄弟を捕らえた。そのうえ、系兄弟を助けようとした梁王の ゆう)に対しても怒りを向けて言った)「わたしは水中の蟹を見てさえ憎い(解と蟹は同音のため)。

 まして、この兄弟が私を軽んじたことに対してはなおさらだ}(これを忍べるなら、何事も忍べるはずだ)
 
《 原文 》

 我於水中見蟹且悪之、況比人兄軽我邪

 我、水中に蟹を見てすら )つこれを にく)む、 いわん)や此の人兄弟にして我を軽んずるをや
 
◎一言多い解説

 凄い八つ当たり。それに比べて、日本のことわざ「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は迫力がある。