198【薫は香を以て自ら焼く】 出典・漢書・龔勝伝 |
《 意味 》
才能ある者は、周りから注目され、それゆえにかえって自らを滅ぼす結果を招いてしまうということにたとえる。「薫」は、香り草の意。
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《 訳文 》
(龔勝は、漢の帝位を簒奪した王莽からの誘いを断りきれないとしり、絶食して死んだ)。一人の老人が弔問に現れ、大声で泣き、哀情を尽くした。そして言った。「ああ。香り草は良い香りを放つゆえに、自らを滅ぼすことになってしまう。油は明るく燃えることから、自らを燃やし尽くしてしまう」。
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《 原文 》
有老父来弔、哭甚哀。既而曰、嗟虖、薫以香自焼、膏以明自鎖
老父の弔に来る有りて、哭甚だ哀し。既にして曰く、嗟虖、薫は香を以て自ら焼き、膏は明を以て自ら鎖ゆ
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《一言多い解説》
清すぎる精神の人は、馬鹿な振りができない。もつたいない
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