196【群蝨褌中に処る】 出典・晋書・阮籍伝 |
《 意味 》
自分の周りの狭い範囲から外に出ないこと。また、一時しのぎの安楽を求めて世をおくること。「蝨」は、しらみ。「褌中に処る」は、ふんどしの中に居るの意。
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《 訳文 》
(阮籍は『大人先生伝』を書いた)そのだいたいの内容はこのようである。「世の中の人の考える君子というものは、ただ定められた枠を守り、たた作法・儀式をよく知っているというだけである。 ・・・ どうして多くの蝨が褌の中にいて、縫い目深く逃げ込み、破れた所に隠れ、そこを住みよい住まいとしているのを見ようとしないのであろうか」
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《 原文 》
其略曰、世人所謂君子、惟法是修、惟礼是克。・・・ 独不見、群蝨之処褌中、逃乎深縫、匿乎壊絮、自以為吉宅也
その略に曰く、世人の所謂君子は、惟だ法をこれ修め、惟だ礼をこれ克くす。・・・ 独り見ずや、群蝨の褌中に処りて、深縫に逃れ、壊絮に匿れ、自ら以て吉宅と為すを
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《一言多い解説》
人間社会のありように自分たちの生態が引き合いに出されて、シラミもさぞびっくり
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