195【群蟻ぐんぎ)せん)に付く】 出典:荘子・徐無鬼
《 意味 》

 たくさんの蟻が羊の肉に集まる。転じて、多くの者が利を求めて群がり集まってくることにたとえる。「羶」は、羊の肉の生臭さを言う。

 
《 訳文 》

 羊の肉は蟻を好み慕うことはないが、蟻が羊の肉を好み慕うのである。それは羊の肉が生臭いからである。舜には、蟻が生臭さを慕うように、人に慕われる行いがあったので、人民は、それを喜んで集まったのである。
《 原文 》

 羊肉不慕蟻、蟻慕羊肉。羊肉羶也。舜有羶行、百姓悦之

 羊肉は蟻を慕わざるも、蟻は羊肉を慕う。羊肉のなまぐさ)ければなり。舜に羶行有りて、百姓ひゃくせい)これを悦ぶ

《一言多い解説》

 一方で、蓼を好んで食べる虫(蚕)もいるし、好みは様々