187【空前絶後】 出典:宣和画譜せんながし)・道釈・呉道玄
《 意味 》

 「前に空しく後を絶つ」と訓読し、今までにもなく、また、これからもないであろうこと。非常に珍しいことにたとえる。

《 訳文 》

 宗教画を描く能力において、顧愷之こがいし)は、彼以前には比べられる者がなく、張僧繇ちょうそうよう)は、彼以後には比べられる者がいないと言われるが、呉道子ごどうし)はその二人を兼ね備えたほどの才能がある。

《 原文 》

 顧冠於前、張絶於後。而道子乃兼有之

 顧は前に冠たり、張は後を絶つ。しこう)して道子はすなわ)ち兼ねてこれを有す

《一言多い解説》

 生まれた時系列は判らないが、呉道子への評価は、変な理屈付けである。話に矛盾がある。