179【曲肱きょっこう)の楽しみ】 出典:論語・述而じゅつじ)
《 意味 》

 物質を求めて生きるよりも、精神を重視して生きるほうがよいということ。「肱」は、うで。「曲肱」は、腕を曲げてそれを枕として寝ること

《 訳文 》

 孔子が言われた。「粗末な飯を食べて水を飲み、腕を曲げてそれを枕にして寝る。楽しみとはそんな貧しさの中にあるものである。道に外れたことをして金持ちになったり、身分が高くなったりすることは、わたしにとって浮雲のようにはかなく、無縁なものである」。

《 原文 》

 子曰、飯疏食飲水、曲肱而枕之。楽亦在其中矣。不義而富且貴、於我如浮雲

 子曰く、疏食そし)くら)い水を飲み、肱を曲げてこれを枕とす。楽しみ亦たその中に在り。不義にして富み)つ貴きは、我に於いて浮雲の如し、と

《 一言多い解説 》

 精神の貧しき者に幸せは来ない