177【玉石混淆】 出典:抱朴子・外篇・尚博 |
《 意味 》
善いものと悪いものとが混じり合ってしまい、区別がつかないこと。立派なものと取るに足らぬものとの識別ができないたとえ。「玉石」は、宝石と石ころ。「混」も「淆」も、入り混じって区別がつかないさま。「抱朴子」は晋の道士葛洪の号。また、書名。
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《 訳文 》
抱朴子が言った。「・・・ある人は賦や詩の浅薄な文字を好み、奥深くて幅広い諸子百家の書物を軽蔑する。そこで、窮め尽くされた言葉をつたないと言い、空虚華美なつまらなぬ言葉を美しく巧みであるという。本物と偽物とをさかさまにし、宝石と石ころの区別がつかなくなるのだ。(世間の人々も皆このような考え方しかしない、何と嘆かわしいことか)
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《 原文 》
抱朴子曰、・・・或貴愛詩賦浅近之細文、忽薄深美富博之子書。以磋切之至言為騃拙、以虚華之小弁為妍巧、真偽顚倒、玉石混淆
抱朴子曰く ・・・或は詩賦浅近の細文を貴愛し、深美富博の子書を忽薄す。磋切の至言を以て騃拙と為し、虚華の小弁を以て妍巧と為すは、真偽顚倒し、玉石混淆す
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《 一言多い解説 》
この故事は、人物金品ばかりでなく、思想・論説にも貴いものとつまらない物が混じっている、と諭している
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