162【九牛の一毛】 出典:司馬遷・報任少卿書
《 意味 》

 きわめて多くの中の小さい部分の事。取るに足りない小さなことのたとえ。九頭(多数)の牛に生えている多くの毛の中のたった一本の毛の意。
《 訳文 》

 (もともとわたしは家柄が良いわけでもなく、世間の人に軽視されてきたのですから)たとえ私が法の裁きに従って死刑にされたとしても、膨大な数の中の一つのようなもので、虫けらが死ぬのと同じです。

《 原文 》

 仮令僕伏法受誅、若九牛亡一毛。与螻蟻何以異

 可令たとい)、僕、法に伏し誅を受くるも、九牛の一毛をうしな)うがごと)し、螻蟻ろうぎ)と何を以て異ならん

《 類句 》

 大きいとか、多いことのたとえに大袈裟なたとえを持ってくる中国人にしては、妥当な引き合い