160【詭弁】 出典:史記・屈原賈生くつげんかせい)列伝
《 意味 》

 こじつけ。口先だけで人をだます。
《 訳文 》

 (楚の懐王かいおう)は秦の張儀にだまされたために、国が大いに困窮し、ついに秦と和睦した。そのとき、張儀は懐王が大いに自分を恨んでいるのを知って、懐柔策を弄した)。楚に行くと、政治の実権を握っている靳尚きんしょう)に手厚い贈り物をして、懐王が寵愛している妾の鄭袖ていしゅう)に近づき、まんまと弁舌で丸め込んだ。(懐王は鄭袖の言うことを聞き入れて、とうとう張儀をゆるした)

《 原文 》

 如楚、又因厚幣用事者臣靳尚、而設詭弁於懐王之寵姫鄭袖

 楚に)き、又因りてへい)を事を用うる者の臣、靳尚に厚くし、詭弁を懐王の寵姫鄭袖に設く

《 類句 》

 先ずは贈り物で側近から近づかないと話にならないのでは、チョッと弱い気もする