156【岐に哭し錬に泣く】 出典:准南子・説林訓 |
《 意味 》
人間は環境によって善にも悪にもなるというたとえ。「岐」は、分かれ道。「練」は練り糸、白糸。戦国時代の学者楊子が道の分岐点を見て泣き、墨子が白糸を見て泣いたという故事による。分かれ道はどちらに行くかによって大きな差が出、白糸は染め方によってどんな色にも染まる。人間は、その環境・習慣に大きく左右されることを悟って泣いたのである。
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《 原文 》
楊子見逵路而哭之。為其可以南、可以北。墨子見練糸而泣之。為其可以黄、可以黒
楊子逵路を見てこれに哭す。その以て南すべく、以て北すべきが為なり。墨子練糸を見てこれに泣く。その以て黄にすべく、以て黒にすべきが為なり。
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《 一言多い解説 》
運否天賦を以て、とっとこ、どちらかに決めましょうや。
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