154【羈鳥旧林を乞う】 出典:陶潜詩・帰園田居 |
《 意味 》
役人が己の任務の拘束から逃れたいと思うたとえ。籠の鳥が、生まれ育った林を恋しがること。「羈」は、つなぎとめるの意。また「羈」に通じて、旅の意。原文の「三十年」は一説に十三年とする。
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《 訳文 》
(若いころから俗世に適応できず、自然を愛していた。)しかし誤って役人になり、もう三十年になる。捕らわれた鳥はもといた林を恋慕い、庭園の池の魚はもといた淵を慕うという。(わたしも南方の荒野を耕そうと、世渡りのへまなままに、田園に帰ってきたのだ)
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《 原文 》
誤落塵網中、一去三十年、羈鳥恋旧林、池魚思故淵
誤って塵網の中に落ち、一たび去りて三十年、羈鳥旧林を恋い、池魚故淵を思う
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《 一言多い解説 》
望郷の念は社会秩序より強し
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