153【機知の功あれば必ず機知の敗あり】 出典:説苑ぜつえん)・反質
《 意味 》

 才人は己の才能を過信して失敗するというたとえ。機械の巧みさを知った者は能率の良さばかりを気にし、ひたむきな努力を忘れてしまうから、かえって失敗する

《 訳文 》

 (てい)鄧析とうせき)は衛の国で五人の男が朝から晩まで取るに足らぬ量の水を井戸から汲みあげ韮畑にまいているのを見て,機械を利用し能率をよくしたらどうかと説くと、)五人の男が言った。「我々の先生の教えに、機械の巧みさ知れば必ず機械によって失敗する、とある。我々は、機械の作り方を知っているが作りたいと思わないだけである。(さっさと帰ってくれ)

《 原文 》

 五丈夫曰、吾師言曰、有機知之巧、必有機知之敗。我非不知也、不欲為也

 五丈夫ごじょうふ)曰く、吾が師の言に曰く、機知の巧有れば必ず機知の敗有り、と。我は知らざるにあら)ざるなり、つく)らんと欲さざるなり

《 一言多い解説 》

 原発事故を予言した故事であった