149【騎虎の勢い】 出典:随書・独孤皇后伝 |
《 意味 》
いったんやりだしたことは途中でやめられないということ。勢いに乗じたら、そのまま突き進めというたとえ。「騎虎」は、獰猛な虎に乗ることで、途中で降りると食われてしまう。「騎獣の勢い」ともいう。唐の高祖李淵の祖父の名が「虎」であったので、唐では「虎」の字を尊び避けて「獣」に代えた。原典の『随書』は、唐初に編纂されたため「騎獣」と言ったのである。
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《 訳文 》
(北周の宣帝が亡くなった時、隋の文帝(高祖)は、宮中に居て政務をとりまとめていた。夫人の独孤皇后は高祖に使いをやって言った。)「国家の大事の時です。もはや虎に乗って勢いよく走りだしたのと同様で、下りると食われてしまいます。勢いに乗じて走らねばならないのです。どうかお励み下さるように。」
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《 原文 》
大事己然。騎獣之勢、必不得下。勉之
大事己に然り。騎獣の勢い、必ず下るを得ず。これを勉めよ、と。
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《 一言多い解説 》
外交上大事な情報を、皇后が帝より先に掴んでいる状況は、チョッとヤバくないか?
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