147【危急存亡のとき)】 出典:諸葛亮しょかつりょう)前出師表ぜんすいしノひょう)
《 意味 》

 切迫した危機のたとえ。国家が滅亡するか、危険を逃れて生き延びるかの瀬戸際をいう。「秋」は、収穫期の意から、大切な時。

《 訳文 》

 (蜀の皇帝劉備りゅうび)は息を引き取る前に、宰相の諸葛孔明に後継者の劉禅りゅうぜん)を補佐し漢室復興の念願を果たすように言い残した。そこで孔明は劉禅に意見書を奉って言った)。「わたくし、亮(諸葛亮。孔明は字)が申し上げます。先帝(劉備)は漢室復興の大事業を達成半ばでお亡くなりになりました。今や天下は魏・呉・蜀と三分され、我が蜀の地である益州は困窮しきっております。これこそ国家が生き延びるか滅びるか、大事な瀬戸際と言わねばなりません。(どうかわたくしの諫言かんげん)をよく聞き入れられ、公明正大な政治をとられますように)」

《 原文 》

 臣亮言。先帝創業未半、而中道崩殂。今天下三分、益州罷敝。此誠危急存亡之秋也

 臣亮言す。先帝業を創すること未だ半ばならざるに、中道にて崩殂ほうそ)す。今天下三分して、益州罷敝ひへい)す。これ誠に危急存亡の秋なり
 
《 一言多い解説 》

 諸葛孔明は、真から参謀だったか?