121【かみ)材を求むれば臣は木をそこな)う】 出典:淮南子えなんじ)・説山訓
《 意味 》

 上位の者の不用意な要求は大きな災いを起こす。人の上に立つ者が要求することは、下に仕える者に節度を外れた行動を強制し、大きな弊害や損失を招く結果になりかねないということ。

 
《 訳文 》

 君主が木切れを求めるだけで、家臣は樹木を切り倒してしまうし、君主が魚を欲しがれば、家臣は谷底まで干してしまう。 ・・・ 上に立つ人の言葉は糸のように細くても、下に至った時には綱のように太くなる。(それほど、上に立つ人のちょっとした言葉は、下の者にとっては大きな影響力をもつのである)

《 原文 》

 上求材、臣残木、上求魚、臣乾谷 ・・・ 上言若糸、下言若綸

 上材を求むれば、しん)木を残い、上魚を求むれば、臣谷を)す。 ・・・ 上言は糸のごと)きも、下言はりん)の若し

《一言多い解説 》

 日本でも総理の「好いカッコしい」発言によって公文書改竄、そして自殺者まで出した事件があった。