119【可不可はこれ一条】 出典:荘子・徳充符
《 意味 》

 是非・善悪は人為的世俗的な価値基準に過ぎず人の心の自由を奪うものである。「一条」は、一本の道、あるいは綱の意。生と死、是と非、あるいは善と悪などは、同じ連続であり、同じ判断であり、ただ、名によって区別されているにすぎないのだが、その名によって区別が結果として束縛となることをいう。

 
《 訳文 》

 老子(老耼ろうたん))が言った。「(孔子とは異なった見解をもち)生と死を同一のものと考え、是と非、善と悪を一体のものと考える者たちに、彼(孔子)の世俗的な束縛を解かせることができるのではないかな。たぶんできるだろうよ」

《 原文 》

 老耼曰、胡不直使彼以死生為一条、以可不可為一貫者、解其桎梏。其可乎

 老耼曰く、なん))だ彼の死生を以って一条と為し、可不可を以って一貫と為す者をして、その桎梏しつこく)を解かしめざる。それ可ならんか、と。

《一言多い解説 》

 原文の意訳の内容に戸惑いがあって、解説不可