116【隔靴掻痒】 出典:滄浪詩話・詩法
|
《 意味 》
もの足りず、はがゆいこと。靴の上からかゆい所をかくように、十分に意図が果たせずにもどかしさを感ずること。
|
《 訳文 》
押韻には、必ずしも何によったかをはっきりさせる必要はなく、故事を引用するのには、必ずしもその来歴にこだわる必要はない。韻に用いる字は、その字の音の響きが重要なのであり、造語をするには、まわりの語ととけあうようにすることが重要である。意は、はっきりさせることが大切で、何を言いたいのかわからず、靴の上からかゆい所を掻くようなもどかしさを与えてはいけない。語は俗気を離れて汚れのないことが大切で、ごてごてと飾りをつけて泥水をかぶるように汚らしくしてはいけない。
|
《 原文 》
押韻不必有出処、用事不必拘来歴。下字貴響、造語貴円。意貴透徹、不可隔靴掻痒。語貴脱灑、不可拖泥帯水
押韻は必ずしも出処を有せず、用事は必ずしも来歴に拘らず。下字は響きを貴び、造語は円きを貴ぶ。意は透徹を貴び、隔靴掻痒たるべからず。語は脱灑を貴び、拖泥帯水たるべからず
|
《一言多い解説 》
原文はしかたない。書き下し文が隔靴掻痒なんですか?
|
|