114【風にしたが)いて呼ぶ】 出典:荀子・勧学じゅんし・かんがく)
《 意味 》

 風上から声を風に能瀬て呼ぶと、その声は、遠くまではっきりと聞こえることからいう。他のものを効果的に利用すればうまくいく、ということから、君子も、修養を積み勉学に励んでこそ君子たりうるということ。

 
《 訳文 》

 高い所に登って手を上げれば、腕が長くなったわけでもないのに、それを見る者は遠くからでもよく見える。風に乗せて呼べば、声が強くなったわけではないが、それを聞く者にはっきり聞こえる。

《 原文 》

 登高而招、臂非加長也。而見者遠。順風而呼、声非加疾也。而聞者彰

 高きに登りて招かば、うで)長きを加うるにあら)ざるなり。しか)るに見る者は遠し。風に順いて呼ばば、声はや)きを加うるに非ざるなり。而るに聞く者はあきら)かなり。

《一言多い解説 》

 こざかしい智恵よりも、自然の摂理を巧く利用することの方がパフォーマンスが良い