104:【河魚のやまい)】 出典:春秋左氏伝・宣公十二年
《 意味 》

 腹部の病気のこと。魚は腹の中から腐り始めることからいう。また転じて、魚が腹の病にかかるように、国家や組織の内部が腐敗することに例える。
 
《 訳文 》

 (楚の荘王がしょう)を攻め、包囲したのち、簫を壊滅させた。この包囲の際に、簫の大夫還無社かんむしゃ)は、城外で包囲している楚の軍から、旧知の敵将申叔展しんしゅくてん)を呼び出した。)叔展は無社に謎をかけて、「麦麴ばくきく)(内乱を防ぐ法)はあるか」と尋ねると、「ない」と答えた。「山鞠窮さんきくきゅう)(外患を防ぐ法)はあるのか」と尋ねると、「ない」と答えた。「河魚の腹疾(国の内部が崩壊してしまったこと)をどうするのか」と尋ねると、「空井戸を探して救い出してくれ(もはや簫を救う方法はない)」と答えた。(翌日、簫は全滅したが、申叔展は、無社を井戸の中から救い出した。)

《 原文 》

 叔展曰、有麦麴乎。曰、無。有山鞠窮乎。曰、無。河魚腹疾奈何乎。曰、目於眢井

 叔展曰く、麦麴有りや、と。曰く、無し、と。山鞠窮有りや、と。曰く、無し。河魚の腹疾を奈何いかん)せん、と。曰く、眢井わんせい)を目してこれをすく)え、と。
《一言多い解説 》

 言葉による高等なブロックサイン。