103:【下学上達かがくじょうたつ)】 出典:論語・憲問
《 意味 》

 手直なところから学び始め、徐々に高度な学理に到達すること。
 
《 訳文 》

 孔子が言われた。「わたしを理解して用いてくれる者がだれもいないなあ」。子貢がそれを聞いて言った。どうして先生を理解して用いる人がいないままですむことがありましょうや」。孔子はさらに言われた。「志を果たしえなかったが、わたしは天(運命)を恨みはしない。また、だれもわたしをわかってくれなかったが、決して他人をとがめはしない。手近な人々や身の回りのことから学び取って日々上達していく。(これがわたしの天授の学問だ)。きっと天だけはそんなわたしを理解してくれるだろう。」

《 原文 》

 子曰、莫我知也夫。子貢曰、何為其莫知子也。子曰、不怨天、不尤人。下学而上達。知我者其天乎

 氏曰く、我を知るもの)きかな、と。子貢曰く、何為なにす)れぞそれ子を知るもの莫からんや。子曰く、天を怨みず、人をとが)めず。下学して上達す。我を知る者はそれ天か、と。
《一言多い解説 》

 孔子先生、意外と落ち込みやすいというか、謙虚というか ・・・ そこが偉い。