102:【階を)てて天に登る】 出典:楚辞・九章・惜誦
《 意味 》

 実行不可能なことをしようとするたとえ。ふみ行うべきプロセスを省くこと。「階」は、はしご。古代中国のシャーマニズムにおいては、天界と地上は、神聖なはしごを伝わって行き来したと考えられていた。「釈」は、置き去りにするの意
 
《 訳文 》

 あつもの)に凝りてなます)を吹く(失敗に懲りて用心しすぎること)のたとえもあるように、どうして狭い意味の忠義にのみこだわるような考えを変えないのか。それはまた、はしごを捨てて天に登ろうとするような実行困難なものであるのに、それでもなお、以前の忠義のこころを保ち続けている。

《 原文 》

 懲於羹而吹韲兮。何不変此志也。欲釈階而登兮。態也

 羹に懲りて韲を吹く。何ぞこの志を変えざるや。階を釈てて天に登らんと欲す。()さき)の態あり。

《一言多い解説 》

 失敗をバネに出来ないで、萎縮してしまえば進歩はない。