EXIT
松橋 帆波様  お酒のたわごと   
   第24話     4月5日

 
師匠を囲んでみんなが集まれるのは、毎年三月も半ばを過ぎてからになる。遅い、遅い新年会というわけだ。師匠といっても別に何がしかを教えてくれるわけではない、まぁ仇名が「師匠」なのだ。師匠の趣味は株である。しかも大きくは儲けていない。毎年、三十万から四十万円を利食って(師匠はそういう表現をする)いるらしい。あのホ○○モンの会社も持っている。我々も持っている。話題は自然とそこへ行くものだと思っていたが、開口一番
 「○友が面白いよ」ときた。

 「○菱はイ○クで思うようにいってないからなぁ、○FJとくっ付いたって、公的資金返したのに、返してねぇ奴を抱え込むんだから、しばらくは様子見だよ」

Hが、
 「師匠、イ○クで思うようにって何なんです?」と聞く。

 「そらお前、復興支援がでしょうよ、本来なら商社とか企業がだな、現地の人間を雇ったりして、世界から集めた金を使って復興活動をするんだよ。それを守るのが軍隊とか自衛隊なんだから。自衛隊の技術は戦争の技術だから、道路造ったり、建物直したりしても、恒久的に使えるかどうかは別なんだよ。そんなのは土建屋のほうがプロでしょうよ。それを○菱や○井、○友、○○忠でやるんだけど、イラク派遣は○菱のほうが政府に近かったからな、もっと仕事が出来ないと合わないよ」
一理あるようだけど、こんなこと言う人はあまりいない。しかも、この時期に。
私も聞く
 「じゃぁ何で○友なんすか?」
 「山持ってるからな、山!」
一同
 「ハ?」である。
 「鉱山の事?それ?」とFが聞いた。
 「あぁそうだよ、あのね、鉄、銅、アルミ、なんてのは今ないんだよ。去年鉄が上がっただろ、採れなくて上がってるんじゃないんだよ。使いたい奴が多いから上がってるんだよ」

それは確かにそうだが、これらのものはもうすでに高くなっていると思うのだが。
Hが聞く
 「師匠、もう上がってんじゃないですか」
 「上がってるから面白いんだよ。金属を採ったらどうする、運ぶだろ、加工するだろ、そしたら何がいる、燃料でしょうよ。それは港までパイプで持ってくるでしょ。そう言う技術があるんだよあそこは。だからまだもうちょっと動くと俺は見てるんだよ」
私は
 「いゃ、だからそういう事も見越して、すで動いているんじゃないの」
 「あのね、俺が言ってんのは先の事なんだよ。山から採って、加工するのに燃料がいると、港まで運ぶインフラがいると、それが出来たら今度は油とかガスだよ。そこへ乗りかえるんだよ。そのために今土台として狙ってるんだよ」

Fが
 「また、土台ですか〜、師匠、前もそれで損したとか言ってたじゃないですか、○カラを仕込んで、分割前の○○ダイに乗りかえるとか言って、乗り換えて分割したらただ半値になっただけで、そっからそのままじゃないすか、俺も真似してどうにもなんないですよ」
 「まぁ、おもちゃは博打だから、当れば凄いんだよ」
Fは納得しない
 「そんな!山なんかもっと博打でしょうが」

私が間に入る
 「まぁ止めなよ、ねぇ師匠、ホ○○モンのとこ、どうなりますかね?俺も買ってんですけど」
FもHも師匠も持っている。みんな師匠の話しが聞きたいんだ。
師匠は
 「えぇ〜っ、あれかぁ〜」
と言ってしばらく俯いている。煙草に火をつけて切り出した。

さて、長くなるのでここからは次回へ

 
(株式投資の判断はご自分の自己責任です。当内容を参考にされたとしても責任は負えません)

   おかわり