明朝体観測日誌

 今回から新企画として、日本全国47都道府県を北海道・東北地方から
九州・沖縄地方の8ブロックに区分けして、その中の一都道府県ごとにお国自慢、
或はふるさと風景を現代短歌に表わしてご披露したいと思います。

  北海道・東北 :北海道 青森県 岩手県 秋田県 宮城県 山形県 福島県


頁 7  令和5年4月8日

知床のいまは異国の見える丘軋む流氷望郷の声

太棹が津軽平野に響く夜は吹雪を裂いてじょんがらの寂び

ご当地は世にも承知の南部鉄利休もネットで茶釜取り寄せ

竿灯をかつぐ雄姿のあんさんも祭り終われば整形外科へ

みちのくの夏はくす玉吹き流し杜の都は七夕の宵

最上川俳聖芭蕉は土手に立ち俳句しながらにぎり飯食う

あと何年戻れぬ土地の被災者にプルトニウムは地雷とぞ思う

 注: 「あんさん」は多分秋田県で代表的に使われている「若い衆」の方言